葉の形や葉脈のパターンについて図鑑や分類の本などでは細かく述べられていますがこのページでは裏山で見られる植物のみのグループ分けを目的として葉の形や葉脈のパターンを見ています。そのため専門的な葉の分類とは少し異なるところがあります。

一般に、葉は、大きくは葉柄と葉身から成り立っています。
 枝から分かれた部分が葉柄です。葉柄の付け根に托葉と呼ばれる小さな葉の様な物が見られる事がありますがこのページでは無視します。
 針葉樹とイチョウをのぞき、葉柄の先の膜状に広がった部分が葉身です。葉身には普通、葉柄の延長線上に葉身の先端まで太い筋、葉脈があります。この葉脈を主脈と言います。主脈からは左右に複数本の葉脈が葉の縁または先端に向かって枝分かれしています。この、主脈から分かれた葉脈を側脈と言います。種類によっては葉身の付け根から複数の葉脈が分岐し、互いに交わることなく葉の先端や葉縁に向かうものもあります。
さらに、種類によってはこの側脈と側脈の間に細い葉脈が見られます。この葉脈を細脈と言います。
 これらの葉脈が形作るパターンは植物の種類を決める重要な手がかりとなります。
 なお、一般に複葉は側脈の間が裂けてそれぞれが葉のようになったもの(一回複葉)やさらにその側脈から出る細脈に沿って葉が裂け、それぞれが葉のようになったもの(二回複葉)などがあり、その結果できた葉のような部分を小葉と言います。このページではこの小葉を一枚の葉と見なしてその葉脈のパターンを観察しました。
  なお、側脈のうち葉柄に最も近い物を第一側脈以下葉の先端に向かって2,3,4
・・N側脈と呼ぶことにします。
  また、細脈は網目状になることが多いが、アカメガシワの第一側脈に見られる細脈のように、種類によっては側脈からかなりはっきりと枝分かれしている場合があります。このときはこの細脈を特に第2次側脈と呼ぶことにします。

 葉脈に見られるパターン(ここだけの類型分け
 羽状脈

  平行脈先端型:主脈から分岐した側脈はそれぞれ葉の先端に向かう。側脈はその先端付        近で分岐し、分岐した側脈が隣の側脈と接することがある。この場合でも        側脈の主流は葉の先端へ向かう。(葉身の付け根から出た第一側脈が他の        側脈に比べて明らかに太い場合がある(いわゆる三行脈)。
  平行脈葉縁型:主脈の途中から分岐した側脈は互いに平行し、葉縁に達する。側脈が葉

        縁付近で分岐することがあるが、この場合、分岐した側脈も葉縁に向か         う。

  羽状脈:主脈から側脈が樹枝状に分岐している。側脈が直接葉縁に達することはない。

        葉縁付近で側脈同士がつながる。

        (羽状脈にはかなりのバリエーションが見られるのでさらなるパターン分         けが必要となると考える。)
  掌状脈:平行脈先端型と同様に葉身の付け根で主脈が分岐し複数の副主脈を形作る。各        幅主脈は葉縁に向かう。副主脈同士の間の葉身が深く裂け,葉身全体が手の        ひら状になる。
  掌状脈移行型:羽状脈のように多数の側脈が主脈から分岐しているがそれらの側脈のう        ち1番葉柄に近い側脈一対(第一側脈)が他の側脈より明らかに強くな         り、この側脈の下側に比較的太い細脈(第2次側脈)が櫛状に並ぶもの。

 

それぞれの葉脈のパターン例

平行脈先端型

平行脈葉縁型

羽状脈

掌状脈

掌状脈移行型